第574話

八雲side



午前0時を過ぎた頃。




ドンチャン騒ぎも落ち着き、皆で竜ちゃんが即席で作ってのけたキャンプファイアの火を囲って、トランプをしたり、話をしたり、麻雀をしたりと各々好きなことをしていた。




真理亜は田中が連れて帰り、小日向は蓮が22時前には送っていった。



後藤田……リーゼントも彼女を送るとそれぐらいには帰って行った。




『今日はありがとう、ハイネ。楽しかった』



『んーん、こっちこそ来てくれてありがとう』



『ハイネちゃん』



『雫ちゃん』



『……また遊んでくれる?』



『もちろん!!』



『まだ帰らないっ!!』



『!!??』




と、突然角刈りが駄々をコネだした時には何事かとビックリしたが。





まぁ、一番楽しんでたからなぁ。



角刈りの楽しむ姿を思い出して、ドン引く。




それでもリーゼントの拳1発くらって、タンコブを作って帰って行った。



そんな角刈りを見て豪快にハイネと麻也が笑ってたのは……















可愛かった。




キャンプファイアから少し離れた所で、椅子に座り、明々と燃え上がる炎を眺める。




ハイネのために開いたクリスマスパーティーだったが……




楽しかったな。



心の底からそう思った。




それもこれも。



ハイネが居て、竜ちゃん、麻也、桂、蓮が居て、"黒豹"の皆が居たから。




いつの間にか"ここ"は俺にとってこんなにも、かけがえのないものなっていたんだなーーーーーーーーーー。



炎を見ながら、そんなことを思ってたら




「やくもしゃー……」




煌々とした炎に照らされて、ポテポテとハイネが歩いてくる。



眠くなったんだな。



トロンとした目は今にも瞑ってしまいそうだ。




「ハイネ」




呼んで両手を広げれば、ギュッと抱きついてきた。




サラサラの髪からは甘いシャンプーの香り。


柔らかな体に、ぬっくぬくの体温。




ハァーッ可愛い‼




眠くなったら俺の所に来て、腕の中で眠ってくれるって。




もう愛しすぎてっっ!!




「ハイネ?」



「あいー?やくもしゃー、おやしゅみなしゃ……」



「待ってハイネ」



「……うー?」



「おやすみのキスは?」





そう言えば、ゆっくり顔を上げるハイネ。




「……チュー??」



「そう、チュー」




もう限界らしく完全に目を閉じてしまってる。



たくさん遊んだもんな。





それじゃあ俺が




「おやすみ、ハイ……」



「チビ子は寝たんか?」



「………………」













チッ!!



「もうちょっと後で来いっっ!!」




てか、わざとだろっ!!

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