第58話

「死桜」



「おん?や、しかし死桜て。なんちゅー他人行儀やねん。ワシとお前の仲やろ。拓実て」



「死桜」



「無視かい!!」




ケーっと何かを蹴る真似をする死桜。




他人行儀て




「他人じゃん」



「これ、麻也ちゃん。そんな本当のことを」




メッと桂が麻也を叱るも、微妙に笑ってる。




面白かったんだな。




「お前が昨日、俺を見つけた公園は、俺とハイネが初めて会った場所だ」




ハイネが拉致られた。


そう聞いて頭が真っ白になった俺は、知らずいつの間にかそこに居た。




「あんな何もない公園でやと!?」




どーやって、出逢ったちゅーねん。




不思議そうにボヤく死桜。




「公園?」




蓮も首を傾げて、俺を見る。




そうか、話してなかったか。




竜ちゃんも桂も麻也も蓮も、何も聞かず、ハイネを受け入れてくれたから。




改めて考えれば、凄い奴等だな。




「お前が連れてきたんだ。疑うか」




そう言って笑う竜ちゃんに皆が頷く。

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