第56話

「それは俺らにも聞く権利があるよな。八雲」




ゾロゾロと"黒豹"の総長、幹部が入ってくる。




「やっくん!!」



「麻也。悪かった」




川崎麻也が真木に駆け寄ってきた。




男やのにホンマ可愛いの。



ハイジより可愛いんやないか…?




「否定はしねえ」



「おおう!?」




否定せんのかいっ!!




真顔で藤木が頷きよる。


おいおい、"姫"やろーが、ハイジは。




「チビネの過去…」




青木、顔が真っ青やな。



「悪いな神納。八雲の世話を任せちまって」



「かまへん」




最後に吉良が入ってくる。




普段の馬鹿さ、喧しさはは引っ込み、落ち着きはらう吉良。



別人みたいやな。



しかし…これが"黒豹"総長・吉良竜希。




「八雲」




低い声に呼ばれ、顔を上げる真木は、数秒吉良と目を合わせた。




「俺が思うに…」




頷いた真木が、口を開きよる。




"黒豹"の車庫、幹部部屋の空気が一気に張りつめた。




「芹原優。奴が求めてるのは、高遠寧々。ハイネの母親だー」

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