第46話

不思議な色の瞳が綺麗。



痛む手じゃないほうの手で身体をソッと撫でたら、艶やかで優しい毛並み。




リアル!!




(あっ…気持ち良い…じゃねぇ!!よく聞け、チビ。八雲が泣いてる。早く帰ってこい)




八雲さんが泣いてる!?



なんで!?



指よりも、心臓がギュッと痛んだ。




行かなくちゃっっ!!



八雲さんの側にっっ!!




(よしっ!!俺が引導を渡してやる)



(竜くん!!ハイネに死ねって言ってるよ!!)



(おっ!?)



「ごるぁっっ!!"黒豹"!!死ねってか!!」



(思ってないぞ!?俺は思ってないぞ!!チビネ!!)





(ほら、馬鹿やってないで俺達に付いてこい)



「あっ!!待って、桂」




今すぐにでも行きたい。

でも………。




あたしは振り返って、近づけなかった最初の光を見る。




まだ居てくれた。

ううん。

あの時からずっと…。

ずっと一緒に居てくれたんだね。




「父。母」




小さく呟いた。

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