第37話

やけに静かだな。




アレのことだから「出せ、帰せ」と騒ぎ立てるかと思ったが。




鍵を外し、少しの警戒とともにドアをゆっくり開ける。




1時間前と変わらない、絨毯の上で丸くなった状態で横になってるソレ。



なんで、ベッドで寝ない。




「お…」



「…んっ……ハァ…ハァ」



呆れて、ソレに声をかけようとすれば。




荒い息遣いに気づく。




「あ"??」




赤い頬に苦し気な表情。小刻みに震える体。



アレが原因か。




右手中指と人差し指が腫れ上がり、変色してしまってる。




そういえば、良い音がしたな。




折れて、熱まで出たか。



手間のかかる。




逃げる心配がないとわかり、近づく。




「オイ」



「……ハァ……んんっ」




一向に目を覚ます気配がない。




「オイ」



「あ"あ"っっ!!」





足で体を揺すれば、苦痛に表情を歪め悲鳴を上げた。




それでも目覚めることはなく。




そんなに俺の顔が見たくないってか。

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