第30話

美優side



「なんなのっ!?なんなのよっっ!!皆、アイツばっかりっっ!!」



ギリッと親指の爪を噛む。




アレが来てから、ロクなことがない。




せっかく、家を出てってくれて清々してたら、憧れの吉良竜希率いる"黒豹"の"姫"になってるしっ!!



本来なら、あたしがなってるのにっっ!!!!




「あのブスっっ!!どこまで…」



「ハッ。キッパリ言うのう。いやー、天晴れやわ。」



カツン…。




「……誰っっ!?」



「性格の悪さは顔に出んで??気ぃつけな」




カツン…。




「誰よっっ!?」




「"死桜"総長」



「なっ!?」




"死桜"!?




「しもうたっっ!!ツッコんでくれる奴がおらんがな!!」



「ハァ!?」




突然出てきた、背の高いライダースーツの女。



長めのショートカットは綺麗に染められた銀髪。


女にしては鋭い切れ長の瞳。




男とも女とも見える、不思議な顔立ち。



だけど、ピッタリとしたライダースーツの胸の部分がすごく盛り上がってるから、女だとわかる。



声も少し低い。




……何?

この女。

すごい威圧感……。




カツン…。

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