第26話

「血なんざ関係ねえわ」



「ああ。桂の言う通り、俺らがハイネを妹だと思い、ハイネが俺らを"兄""家族"だと思ってくれてる。それだけでいいんだ」



「っっ!!」



「そんな大事な"家族"が拐われた…」




竜ちゃんがギリッと唇を噛む。




―――後悔――




俺を含めて"黒豹"全員の胸を占めるもの。




「頼む!!芹原優の居場所を教えてくれ!!今この時もチビが泣いてるかもしれねえんだ…!!」




竜ちゃんが頭を下げるから、俺も下げる。




痛い思いをしてるかもしれねえ……………。

怯えてるかもしれねえ…………。




そう考えるだけで、いてもたってもいられねえ。



「"アレ"が泣く!?ないない!!だって、どんなことされても笑ってたもの!!今だって……」



「あんた、どうしようもないな」




俺は下げてた頭を上げて、睨むでもなく女を見る。




「ハァ!?」




女の片眉がハネ上がる。



常に笑ってる奴なんかいるか。




チビ助は。

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