第26話
「血なんざ関係ねえわ」
「ああ。桂の言う通り、俺らがハイネを妹だと思い、ハイネが俺らを"兄""家族"だと思ってくれてる。それだけでいいんだ」
「っっ!!」
「そんな大事な"家族"が拐われた…」
竜ちゃんがギリッと唇を噛む。
―――後悔――
俺を含めて"黒豹"全員の胸を占めるもの。
「頼む!!芹原優の居場所を教えてくれ!!今この時もチビが泣いてるかもしれねえんだ…!!」
竜ちゃんが頭を下げるから、俺も下げる。
痛い思いをしてるかもしれねえ……………。
怯えてるかもしれねえ…………。
そう考えるだけで、いてもたってもいられねえ。
「"アレ"が泣く!?ないない!!だって、どんなことされても笑ってたもの!!今だって……」
「あんた、どうしようもないな」
俺は下げてた頭を上げて、睨むでもなく女を見る。
「ハァ!?」
女の片眉がハネ上がる。
常に笑ってる奴なんかいるか。
チビ助は。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます