第24話

「俺が来た理由はあんたが一番よくわかってんだろ?兄貴は何処だ?」



「ハァ!?そんな…」



『聞かれたことだけ答えろや』




ゴガッッッ!!!!




「………っっ!?」




誤魔化そうとする女の顔スレスレに拳を放ち、壁を殴り付ける。




この女と長く居る気はねぇ。




『防犯カメラにバッチリあんたが映ってたよ。俺らが行った後も長い間近くをウロウロしてたな?兄貴を呼び寄せたのはあんただ。バレてんだよ』



蓮が朝早く持って帰ってきた近隣の店の大量の防犯テープ。


それの所々に映る、この女。


チビ助を引き取りに行くときに一度会ったと八雲が覚えてた。




そして、その兄貴がチビ助に異様な執着をみせてたことも。




「もし…そうだとして…」



顔を真っ青にして、震える声で、それでも俺を睨み付けながら女が言う。



「"アレ"は、あたしたちのイトコよ?久しぶりに会ったから話そうと思っただけ。何か悪いの??」




"アレ"だと!?




屈託なく笑うチビ助。


可愛い俺の"妹"をアレ呼ばわりか…。




『……………』




怒りのまま、もう一度壁を殴ろうとすれば。




バッシーーン!!!!




「………………竜ちゃん」



止められた。




「何やってんだ桂。自分を傷つけるんじゃねえよ。チビが泣くだろうが」




俺の拳を握り、苦笑する竜ちゃんが居た。

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