第4話

ゴブさんが殴られ、蹴られる重い重い音。




下卑た多数の笑い声。




そして………飛び…散る……ハゲさん……の血…。




鮮やかな"赤"―




「あっ…あ…」





『そいつらを壊されたくなければ、一緒に来い。"高遠ハイネ"』



『!?』





"チビ姫"ではなく、呼ばれたのは"自分"の名前。



それだけでわかる。




こいつらの目的は"黒豹"ではない。




"あたし"だ。




あたしのせいで、ゴブさんとハゲさんが…。





カタカタカタカタ…。




暖房がきちんと効いてる室内で、寒くもないのに身体が震え出す。




二人は無事だろうか…。



最後に見たのは…ぐったり動かない二人。




二人が…。




「ああ…あ…あ…」




あたしのせいだ…。

あたしの…。




無意識に助けを求めるように胸元に手をやった、その時。





ガチャ。




ノックもナシに扉が開いた。

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