優越
白波さんとのデート後、家に帰ってから機内モードを解除すると昼の2時にケイさんから電話が1件来ていた。
そしてそのあとに『学校は?』という少し怒りを感じるメッセージが届いていて、私は胸が締め付けられる。
けど、ケイさんとの繋がりを自分から切れない私はお風呂上がりに返信をした。
『休校。学校の誕生日。』
私は週の真ん中でもあり得る休日を伝えると、ケイさんは少しして返信をくれた。
『なんで帰ったの?』
と、ケイさんは自分が言ったことを覚えてないのかそう聞いてきた。
『帰れって言われたから帰った。』
私は不機嫌を文字で表し、そのまま明日の学校のために眠りについて聞き慣れたアラームで目を覚まし、返信を確認してみるとケイさんが今週の金曜に会おうとメッセージしてくれていた。
それに私が声を上げて喜んでいると、私史上初めてのハツラツ過ぎる朝に驚いたお母さんがノックもしないで入ってきた。
母「お、はよ…。大丈夫?」
なにを大丈夫なのかを聞きたいけど、そんなのは意味がないってことは分かっているので私は大丈夫と返事をしてお母さんを部屋から追い出し、目をまた携帯へ戻す。
ケイさんから会いたいなんて言ってくれるのなんか、これっきりかもしれない。
これっきりで1回やってバイバイかもしれない。
さよならのデートってちょっと行きたくないかも。
けど、会えるチャンスをケイさんからくれたから私は行くと返事をして、金曜の朝は友達の家でドラマ一気見すると親に早めに嘘をつき、しっかりと家に帰らないことを伝えた。
そうして1人っきりの学校生活を過ごして、夏服になった制服でケイさんの家に行った。
ケイ「今日は学校行ったんだ。」
と、ケイさんはいつもより冷たい気がする目で見た私にそう呟くとまた1人で部屋に行き、扇風機を回している部屋に1人で行ってしまった。
その様子になんで今日私を呼んでくれたのか疑問に思いつつも部屋に入らせてもらい、ベッドで寝転んでいるケイさんの隣には行かずに座椅子に座る。
ケイ「こっち来てよ。」
…なんか、気分にムラがあってちょっと怖い。
だけど、最悪暴力沙汰になることも考えてそっとケイさんの横に寝そべると、ケイさんは私の体に脚を絡めてきた。
ケイ「この間は彼氏とデート?」
私の目を見ながら頭から首までをゆっくりと撫でるケイさんの目が今まで見たことない目でやっぱり怖い。
優愛「…友達。」
ケイ「俺みたいな友達?」
ケイさんは私の首をそっと掴んであの日に白波さんとしたキスをしてきた。
けれど、白波さんとは違ってだんだんと荒っぽく唇や舌を噛んだり、まだ回答も貰ってないのに唾液を渡してきた。
ケイ「友達何人いるの?」
と、ケイさんは私を押しつぶすように全身を乗せて耳たぶで遊ぶ。
優愛「ひとり…、かな…。」
ケイ「名前は?」
優愛「…七星ちゃん。」
私が本当の友達の名前を言うとケイさんは両手で私の顔を軽く潰し、盛り上がった唇に軽くキスをした。
ケイ「あの男が『ななえ』なの?可愛い名前してるんだね。」
優愛「…バイト先の女友達。」
ケイ「あの人が女の子には見えなかったけど。」
優愛「…いいじゃん、誰だって。」
私がケイさんの詰め寄りに耐えきれなくなっていると、ケイさんは私のシャツのボタンをプチプチと外し始めた。
ケイ「男なら誰だっていいんだ。可愛いのにもったいないね。」
優愛「そういうことじゃないけど…。」
ケイ「誰ならいいの?」
…妬いてくれてる?
それならすごい嬉しいけど、白波さんみたいに好きとは言ってくれないのかな。
ケイ「俺のことは好き?」
優愛「…うん。好き。」
ケイ「そっか。」
と、ケイさんは少しだけ満足したのか私の背中下にあるフォックを外し、乱れた制服を見るために体を起こした。
ケイ「好きならいいよね。」
ケイさんは私のスカートをめくり、ヘソ下を指先で軽く突いてきた。
優愛「いいよ。」
そのために来たんだもん。
断る理由なんてないよ。
私は初めて好きな人に告白をしたけれど、答えはまだ返ってこないみたいだし、いつもは顔を見て終わらせてくれるのに今日は背中を向けさせたまま終わらせられた。
これってやっぱり脈なしなのかな…。
せっかく遊びに来たけど、楽しい気持ちには浸れない夜を初めてケイさんと過ごした。
環流 虹向/愛、焦がれ
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