第22話

ちゅっ



…え?

今…、あれ?


客席からざわめきが起こることから、やっぱり間違いじゃないらしい。



目を瞑っていたが、唇に柔らかいものが触れたんだ。



そのまま司の合図の言葉で目を開くと、彼は妖艶な笑みを浮かべていた。



「桜子!ちょっときて!」



終わった後、すぐにキミちゃんに連れ出された。


「これみて!」



お母さんから借りたであろうデジカメだった。


覗いて見ていると、さっきの司とのキスがドアップで写し出されていた。



驚きで何も言えなかった。


司の唇だったんだ、あれ…。

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