幼稚園の卒園まで数ヶ月となったとき、記念に演劇をやることになった。

満場一致の王子様役に司で、その弟役に洋太くんが抜擢された。

いざ、お姫様を決める時にはキミちゃん以外の女の子１４人が一斉に立候補した。

私は、自分から手が挙げられるような人間では無かったが、キミちゃんに推されて立候補。

当の本人、司は興味がない様子で、勝手に決められたことさえも気に入らない様子だった。

「じゃあ、お姫様はどうやって決めましょうか」

先生同士で考えているのを聞きながら、周りが騒ぎ立てるのを見ていた気がする。

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