第13話 ダンジョン1階のボス



「ぐぎょ!!」



「ぐぎょおおお!!!」




「グギョオオオオオ!!!」




「おお‥カゲツナ強いな…接近戦なら俺もボコボコにされるなこりゃ。」



侍ゴブリンことおれの仲間であるカゲツナは出会うモンスター全てを一撃で葬り去る。モンスターも弱いので簡単かもしれないがそれでもすごい気迫だ。



「あの冒険者達には良い刺激をもらったな。」





カゲツナがバンバン倒してくれるから仕入れが捗るが俺が仕入れたいモンスターはまだ奥に潜んでいる。


その為俺の持つ弾数は雑魚戦では極力減らしたくはないのだ。それに俺の弾は普通の弾丸じゃないオリジナルだ。これを作るのにも中々値の張る素材を使っている。



「ダンジョンから帰ったらまた製作しないとな。」



あの時俺はカゲツナに隠れてるように命じたがそれがカゲツナはショックだったらしい。テイムしたモンスターの感情は軽くだが伝わるので今度は俺を、主君を守れるようにと必死でモンスターを討伐してくれるのは心強くある。



それから暫く探索するとこの1階層の最奥であるボスの間へと到着した。

1階層に出てくるモンスターは武者ゴブリンと【スモールラッド】【スライム】そして普通の【ゴブリン】が出現するが簡単に倒せるようなモンスターでスキルも持っていない簡単に倒せるモンスターだ。

道中雑魚モンスターをカゲツナが倒し到着したその場所は、田舎町の広場みたいな場所でその場所に大きな体をした武者ゴブリンが1体仁王立ちしている。



「グギョオオオオ!!」



「おおー!デカくて迫力があるな!!」



3メートルはある背丈は貧弱な体をした普通の武者ゴブリンと比べると体つきもがっしりしており別のモンスターに見えるが、このモンスターは武者ゴブリンで間違いない。



その理由はこのボスモンスターが持つ【巨大化】というスキルがただの武者ゴブリンを巨大にしているからだ。




「巨大化なんてスキルはレアなスキルだ。1階層で手に入れられるなんてラッキーだよな。」



ダンジョンのボスモンスターを倒すと稀に【スキルの宝玉】というドロップアイテムを手に入れる事が出来る。この1階層のボスモンスターを倒してスキルの宝玉をドロップしたという情報も多くあるが、巨大化のスキルの宝玉を手に入れたという事は一度もない。


報告例としては【絶倫】【身体強化】【棍棒術】の3つだった筈だ。



「ん?カゲツナやれるか?」


「ぐぎょ!」



ボス戦だから俺が前に行こうとするとその歩みをカゲツナが止めてヤラせろと訴えてくる。




「ぐぎょ!」



「グギョオオオオ!!」



そのままカゲツナはボスゴブリンに近づいていきボスゴブリンはカゲツナを大きな棍棒を持ち上げて威嚇してきた。




しかしカゲツナはその威嚇さえもシカトをして歩みを止めず刀に右手を添える。




「ぐぎょぎょぎょぐぎょ!」



「え?まだ距離はあるぞ?」



まだボスゴブリンとは数メートルは離れてるのにもかかわらず横一文字に刀を振るカゲツナ。



するとその刀からは三日月の様な斬撃がボスゴブリン目掛けて飛んでいった。


「あれは‥【無月】か!でも色が青い?」



無月、武者ゴブリン将軍のスキルの1つで斬撃を飛ばすスキルだ。そのスキルは武者ゴブリン将軍の得意技とも呼べるスキルで中々強力な物だ。

しかし無月は透明に近い白の斬撃だと思ったがカゲツナは青い斬撃でこれは聞いたことがない。



「グギョオオオオ!!」



「威力はあまりなのか?」



ボスゴブリンはその斬撃に吹き飛ばされダメージも食らってるがまだピンピンとしてる。



1階層とはいえボスモンスターだからタフなのは分かるが俺の知ってる無月よりは威力はないのか?それとも侍ゴブリンが放つからゴブリン将軍よりは威力が落ちるのか?



「ぐぎょ!」



そう思いながらカゲツナを見てると刀を鞘に戻し力を溜めてるような状態で静止している。


「ぐぎょおおおお!!」



その時間は10秒程度であったが、さっきの斬撃よりも青く斬撃の大きさも大きくなっている。



「チャージ系のスキルか!」




力を溜めると威力が増すスキルが存在するが、カゲツナの無月はチャージ系の無月らしい。


「ギョゥオっ」



「棍棒までも真っ二つか‥」



訂正しよう。ゴブリン将軍の無月よりも威力が強い。


というか俺のマジックショットよりも無月の溜めを長くしたら威力強いんじゃないか?



「‥まぁカゲツナ良くやったな?」


「ぐぎょ!」



ボスモンスターを倒した事で俺のショップのスキル保管庫には新しいスキルが追加され、武者ゴブリン

も1体購入できるようになった。


「ワンチャン、大きいままの武者ゴブリンがと思ったがそう上手くいかないか。」



手に入れたスキルは【棍棒術】と【巨大化】



狙っていたスキルを手に入れる事が無事出来たことに胸を撫で下ろす俺。



「よし。巨大化があれば戦力を増やせる!」



巨大化を使用するモンスターはもう決めてある。このスキルを使用するモンスターは【あれ】だがそのモンスターを仕入れられるのはもう少し先だ。



「早く10階まで行ってあのモンスターも仕入れないとな!」



「ぐぎょ!!」



1階層では


モンスター購入可能数

【スモールラッド】50

【スライム】 32

【ゴブリン】 20

【武者ゴブリン】  15



スキル保管

【巨大化】1

【絶倫】 5

【身体強化】5



今回の仕入れで獲得したものだ。





強くてレアなスキルを手に入れた俺達は次の階層に進むのであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る