第38話





 零二にそう答えるとなぜか、嬉しそうな顔をする。



「そうなんだ!なら、今日はいろいろ教えてあげる!これでも俺、顔が広いからねぇ~」



 フフフッと、笑って言った言葉にあたしは、笑みを浮かべて甘えた。



「でも今日は、ゆっくりショッピングと行こうか」

「あ……はい」



 結局、こっちが優先なんだ。



 零二の言葉に苦笑いで思っていると、さっそく歩き出す。それについて行くように、あたしも歩き出す。






 しばらく歩いて着いた場所は、女子のほとんどが好みそうな、可愛らしい小物を取り扱った雑貨店。あたしは零二に連れられて中に入ったものの、あたしには少々キツい。



 可愛いっていう基準が、あたしには分からないんだよなぁ……。



 周りにある小物を見て思いつつも、零二に合わせる。が、やはりあたしには分からない。そんなあたしに気づいたのか、零二が尋ねてきた。



「あれ?もしかして、興味ない?」

「あっ、いや……」



 零二が困惑気味のあたしの顔を覗くように見て尋ねてきた言葉に戸惑う。



 素で答えてもいいけど……。



 あまり深くまで聞かれたくなかったあたしは、曖昧な答えを返す。すると零二は、笑みを見せて言う。



「じゃあ、次行こっか。お腹、空いたでしょ?」



 理由を聞く事もなく言うと、あたしの手をつかんで店を出る。それに内心驚くが、気にしない。



 今時、平然と出来る男もいるだろ。





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