第5話
心の中でつぶやいて振り返る。するとそこには、一人の男子がいた。
うわぁ……綺麗な黄色い髪……。
綺麗に整えられた短髪で、あたしに目を細めて微笑んでいる男子。身長はあたしより数センチ……171くらいあると思う。微笑んでいる男子をじっと見ていると、男子は恥ずかしそうに口を開く。
「えっと……ここ、女の子が通ると危ないよ?」
照れた様子で頭をかきながら親切に言った男子に、あたしは首をかしげる。
何がどう、危ないの……?
何も分かっていないあたしが首をかしげた理由を分かったように、男子は口を開く。
「襲われるよ、っていう意味なんだけど……分かるかな?」
少し右に首をかしげて優しく微笑んで話す男子に、あぁ!と顔に出して理解した。
「つまり、男子達の集団の中にいると、女子は危ないっていう事ね!」
あたしが声に出して言った言葉に、微笑みを浮かべたまま頷いた。
「それにしても、早く登校して来たみたいだけど……初めて見る子だね、君」
そして、今の時間を思い出したのか、男子は近くにある教室の時計を見て言い、あたしに目を向けると、柔らかい笑みを見せる。
確かに、8時過ぎにきてるけど……。周りの生徒もそれなりに早い登校だろ?
と思いつつも、その発言に目の前にいる男子は生徒会の人かな?と思いながら話す。
「実はあたし、今日からこの辻蘭高校に転校する事になったんですが……理事長室がどこにあるか分からなくて……」
笑みを浮かべてただ歩いていた事を伝えると、男子は笑みを崩さず話す。
「それじゃあ案内してあげる。初めて来たなら、何も分からないはずだからね」
あたしは優しい言葉を聞くと、笑みを浮かべてお礼を言った。
優しい人でよかったぁ~……。
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