第65話

青年が話掛けてるのは、自分しかいなかった。

「ちょっと待て」

次の口を開く前に止めた。

「ん?」

にこにこしたまま青年が首を傾げた。

「母親とか…誰が?」

「え、君」

「なんねえから」

「結婚しないの?」


「…結婚はできる。けど俺、男だから、何をどうしても母親にはなれないぞ」

笑顔のまま青年は一瞬フリーズした。その効果音が鳴ったのが聞こえた気がした。

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