第56話

オリシアはキセキを見て何かを言おうとして、ため息を吐いた。

「いや……なんでもない…」

口をつぐんで、もう一度前を見た。


焦燥のような、感傷のような表情をしていた。

一週間見てきた余裕を浮かべた顔と違った。

「…宿は?」

キセキは敢えて触れず、聞いた。

「宿?あぁ…なんとかとれたよ」

そう答える時にはオリシアは落ち着きを取り戻していた。


…押し込めた?

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