第50話

信じられなかった。

兄さんは突撃部隊より上の精鋭部隊の副隊長だ。


剣を交えながら、兄さんは説得を試みた。

……それが命取りになるんだよ…

氷のような冷たい笑みをあいつは浮かべた。


押されているのがわかった。

親友を斬るだと?

斬れるはずがない…

…本気だ


やめろー!


横合いから突っ込んだあたしの剣も体も簡単に弾かれた。


次の瞬間、侍女の悲鳴が上がった。


打った頭に響いてくらくらした。

それでも身を起こすと…………


「オリシア」

呼ばれてそちらを向くとキセキと目が合った。

火よりも紅い瞳が見詰めていた。

「交代の時間だ」

「んじゃ、頼んだよ」

手にしていた薪を渡すと、「入れていけばいいだろ」低血圧なのか、こもった不満の声で言われた。

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