第190話

「ほんとに似合ってるよそのカチューシャ」







あたしのカチューシャに触れながら

さっきとは違う笑みをみせる








垂れ下がった犬の耳

しかもふわふわで可愛い感じ


そんなカチューシャが似合うわけない







あたしは可愛いわんちゃんとはかけ離れてるから








「波流ちゃん気づいてる?」








何にと問いかける前に

裕は視線をあたしから逸らして人通りを見た

それはまた違う顔




どす黒い裕がいた









その光景に少し驚いたけど

あたしも釣られて目を向けた

けどいつもの光景しか目に入らなくてピンと来ない






そんなオーラ出す要素が分からなかった

だって





「可愛い女の子たちが裕をみてること?」







そんなのいつもじゃん

そう思ったけど口にはしない











「ホント鈍感だなぁ

ほらあれ、そこの木のとこ」






「うん?」







「写真撮られたのわかんなかった?」









「え、裕狙われてるの」










「んん、違うんだけどなぁ

ちょっと待ってて」











裕が席を立つのと同時に起きる小さな黄色い声


身長高いとか、スタイルがいいとか、

どっかのモデル?なんて言葉がちらほら聞こえてくる








わかんなくも無いけどさ







足を組み遠くの裕を見守る

一見普通の好青年・・・だよなぁ






数時間一緒にいてまだピンと来ない

あたしと一緒で嘘をつくのが上手だね








ねぇ、裕?





あなたは何を抱えているの?












あたしに見せてよ

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