第25話

視線を男から叶斗に戻した





叶斗の眉間にしわが寄る





どうかした?





そう言い切る前に、叶斗に手首をつかまれる






「波流、秋逃げるぞ」






男たちに背を向け歩き出す





突然のことでびっくりする





そんなあたしに気づいた秋が、大丈夫と安心させるようにいった





駐輪場手前で叶斗がどこかに電話していた





「ごめん波流





いまから麒麟の倉庫いくから」





叶斗の焦った顔を見て反射的に首を縦に振る







「あいつら追いかけてきたで!!」






秋が叫んだと同時に、あたしたちは走り出した

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