第19話

食堂についてから一言も話さなかった叶斗が

そばをすする手を止め






「波流、落ち着いて聞いてくれ」





真剣な顔で声を発した





ガヤガヤとうるさいはずなのに

叶斗の声がしっかりと耳に届いて


あたしも秋も食べる手を止めた








「秋がさっき言うたように

俺は麒麟の幹部をしてる」







麒麟

関東ナンバー1の族




黒狼にいた時から悪いうわさは聞いた事がない





「この学校には麒麟に所属してるやつが大半だ





秋は、その麒麟を支える鬼龍の総長だ」





淡々と叶斗が話す





視界の端で悲しそうな顔をした秋

あたしはそれを見逃さなかった

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