第74話

私は屋上のドアを勢い良く開けた。

亀島はライフルをバラしているところだった。

妙に冷たい目を向けられて言葉に詰まった。

「…撃った、のか?」

「…確認しますか?」

外したスコープを持つ亀島の口だけが歪んだ。


遅かった――!!

こいつ、父親を…

実の父親を!!


「――…っ…」

涙が流れていた。


いつも

 間に合わない…


悠太の時も――


そんな自分が腑甲斐なかった。

「罪の代償ですね」

亀島は眼鏡を指差した。

「目立つから、狙われますよ?」

覚悟の混ざった、あの哀しげな笑顔を浮かべる。


たくさん人を殺めてきてるから

親は殺しちゃいけないなんて、言える立場じゃない

けど…!


「お前だけには、親殺しなんて……」

遠くからサイレンが聞こえた。

「帰りましょう」


のんびりしていたら捕まってしまう。

「あとは先輩の目的だけですね」


まだ、捕まるわけにはいかない…

すぐ冷静になるあたり、やはりどこかイカレているのだと思った。

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