第58話

どこをどう触ればいいんだ?

「わかんねー。お前わかる?」


聞いたのは、亀島は坊っちゃんだから家にあっただろうと思ったから。

 偏見だな…


しかし、思った通り亀島は知っていた。

聞きたいレコードを渡して掛けてもらう。


独特なノイズ。

流れてきたのはスローテンポの曲。

囁くような女性の声が歌う。

私はポケットから煙草を出してくわえた。

マサの動きをなぞる。


今の私はとてつもなく

おっさんくさいだろう…


マサは30代には見えなかった。

初めて会ったときもじいさんに見えた。


…あぁ…さっきから

センチメンタルだ……


「ブルース?」

「シャンソン…かな?」

慣れない煙草だけれど、深く煙を吸い込んでみる。

 けほっけほっ!

むせ返ったので煙草を揉み消した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る