彼の人のために祈りを(つかさside)

第50話

――「相手が悪すぎた」


マサが言った。

「どうすんだ?」

「トラップを使う。お前は逃げろ」

私は返事をするより早く、マサに建物から追い出されていた。


爆発音が背後でして爆風で前のめりに倒れた。


身を起こして建物を見上げると、火と煙が立ち上っていた。


あちこちで破裂音が聞こえる。


呆然と、ただ、見ていた。


そのうち人が集まり始め、肩を掴まれて我に返った。

肩を掴んだ人の顔を確かめもせず、手を振り払い、その場から逃げた。


走りながら気が付いたのは、自分の銃以外にマサの銃を握っていたこと。


渡された記憶も受け取った記憶もない。

 ……いつの間に?


たぶん、私を追い出すとき、どさくさに紛れて握らされたのだ。

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