第48話

「お、おい!?」

先輩も追い掛けてくる。

「どこ行くんだ?」

「先輩、Selamってわかりますか?」

「セーラム?」

「どこの言葉か忘れたけど、礼拝堂という意味です」

旅をしてるときも僕には関係ないと思っていた。

なぜそんなに真剣になれるのだろうと疑問に思う。


僕は扉の前に立った。

「あかずの間じゃないか」先輩が言う。


違う。ここには……


「僕は、世界を旅して色んな宗教にも触れました。それでも、神も仏も信じてません」


僕は扉の把手に手を掛けた。

「ただ、今だけ信じます!――神よ!!」

勢い良く扉を開けると、目の前は礼拝堂で、マリア像があった。

「どうか、マサさんに安らかな眠りを与え賜え!」

僕は上から下、左から右へ手を動かし十字を切った。そして胸の前で強く両手を握り合わせた。


 『ア ー メ ン』


口だけで言った。


30秒数えて、先輩を見た。

呆然としている先輩に小さく笑い掛け

「行きましょう」

言う。

先輩が頷くのを見て歩きだした。

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