第29話

亀島は笑っていた…それはとても哀しげな…。

「僕が、死んだことにでも、なってましたか?」

それはとても寂しげな声。だけれどしっかりしていた。


私が耐え切れなくなり泣き崩れた。


「いいんです、帰れなくても。やりたいことがあるから、寧ろ好都合かも…」

亀島は弱くははっと笑った。

「それに、もう選んでしまってますから…先輩のことを聞かせてください」

見上げた亀島の顔は決意で引き締められていた。

「…なんか違う。変わったな、お前」

「世界を旅してたんですよ。そういうのもゆっくり話しましょう?」

亀島は今度は見慣れた笑顔を見せた。

私は涙を拭って立ち上がった。

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