第21話

エイジにとって待機は苦に入らない。


コール音が鳴ると、ゆったりとした動作でボタンを押した。

右側にハヤテ、左側にダイが映った。


「あまり緊急でもなければ使ってはいけないんだがな」

にやりと笑うと、「私にとっては緊急だ」真面目な返答。

「冗談だって!モニター提案したの俺だし」

「研究あるんだから、君たちの長い挨拶には付き合いたくないよ」

「わかった。んで、ハヤテは今更何がわからないと?」

「…私たちの名前がカタカナなのはわかる。しかし、トウノたちのの理由がわからない」

「ああ~…俺の父さんは細胞提供者だから。今はもう漢字に戻してもいいんだけど、面倒臭くて」

ダイは肩をすくめた。

「アヤは?」

「アヤの両親もだ。細胞提供者とはとおーい親戚みたいなもんだ。細胞提供者の家とは結婚できない…いつかは別れなきゃいけなかったわけですよー」

絶句するハヤテににっこりする。

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