第12話

「わかっている」

笑顔のショウヘイと仏頂面のハヤテ。これでは立場が逆転だ。

それでもこの時のハヤテにはショウヘイの交際云々のを突っ込む余裕が無かった。

「父さん、プロポーズするなら街の巨大スクリーンがいいですよ」

「あれを使ってのプロポーズはまだ流行りだったのか?」

「父さん知ってるんですか?」

「あれは私が中学生の時に流行り出したんだ。当時五十万程したはず」

「今もですよ。そのままなんだ~」

ショウヘイは頷いて紅茶を飲んだ。

「…お母さん、かぁ……」

呟いて照れ臭そうに、だが嬉しげに笑う。

「いーや待て待てまだ決まってないぞ」

ハヤテが突然訂正し出した。しかし時すでに遅し。

「でもさっきの反応はぁ…」

ニヤリとして見られると言葉が出てこなかった。


確かに、何度か話していくうちに自然に、この人ならと思うようになっていた。


向こうがどう考えているか、だ。

こっちばかり先走っても仕方がない。

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