第95話

めまいがした。


忘れる……

どうやって!?


這うように階段を昇る。


“忘れないで”


カナリアの隣の酒場の陰で蹲る。カサブランカに見付かるわけにいかない。


“忘れないで…神殺しの罪は消えない……その名の後ろに枷となろう……クロス…罪を背負う黒い十字架(ブラッククロス)よ……”


――動けないんだ…

俺は、磔されて……


簡単に言うなよ…………


風向きが変わる。


……雪が、降る


埋め尽くして、くれませんか――?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る