3,係員紹介

 所属する部署の決め手の一つに、部署のメンバーは欠かせないだろう。そこで、ここでは図書館支部のメンバーを紹介する。彼らの過去を詳しく知りたい場合は、図書館の無限蔵書棚にある万人伝記コーナーに行くのをおすすめする。記憶をなくし、本名を覚えていないロビンさんや、何故か伝記がないソフィア以外のものは、すぐに見つかるはずだ。


 以下、ほぼ主観だけで構成されているから、実際に来て交流するのをおすすめするよ。おそらく、ここは定期的に更新すると思う。


 まずは、自己紹介もかねて、僕から。僕はあずま。ついこの間までは高校生だった。演劇と小説の執筆が趣味で、募集要項の後に展開される物語は、僕が執筆したものだ。ただ、僕を主人公にせざるを得なかったので、僕に関しては今後の物語で。


 それから僕の相棒、フテラとランフォス。本来の姿が双頭の鷲で、人間の見た目になると、2人になる。だから、見た目がよく似ているものの、双子とは少し違う。性格に関しては、フテラは優等生の皮を被った不器用、ランフォスは劣等生の皮を被った天才といった感じだろうか。ただ、ランフォスはそれに気づかず、フテラの方が優秀だと勘違いしている。そのため、彼らの仲はいいとは言えない。

 そして、以前彼らが相棒を務めていた人物は彼らの外面しか見ずに勘違いし、ランフォスを存在否定し、フテラには過度に期待を寄せていたという。ちなみにこれはフテラから聞いた話で、その人物は禁忌を犯し、既に天界から追放されているとのこと。ランフォスを捨てないようにと、僕はフテラからかなり警戒されている。


 次にダヴィド係長。生前は歴史家をしていたらしい。そして、図書館支部の初期メンバーの一人だ。係長と犬猿の仲であるもう一人の初期メンバーは現在行方不明中とのこと。しかも、僕のご先祖様疑惑がかかっている。僕があまりにも彼と似ていたらしく、初めてロビーに入ったときは、殺されるかと思った。ただ、係長は喋り方が胡散臭いだけで、面倒見はいいし、たぶんいい人……だと思う。


 係長の相棒はグリフォンを本来の姿として持つリラ姉さん。みんながそう呼んでいて、本人がまんざらでもなさそうなので僕もそう呼ぶことにした。初期メンバーの相棒ということもあり、彼女は新参者の教育係も務めている。これまで紹介してきた内容は、僕が彼女に教えてもらったことがほとんどだ。彼女は所謂ツンデレである。係長は定期的に仕事をサボって部屋に閉じこもる癖があるため、たまにキレてる。


 それからロビンさん。副係長でもある。記憶をなくしているらしいが、見た目でなんとなく正体は分かった気がする。流石にここでは言わないけれど。僕のご先祖様(?)が行方不明になったとき、共にいたことから、観測に軽くトラウマを持つようになり、今は観測を行わず、係長の補佐をしている。デジタル音痴で、定期的にデジタル機器を壊したり、エラーを発生させたりしている。


 ロビンさんの相棒である鵺の梅さんも紹介しよう。梅さんは忍者のような恰好をしている。リラ姉さんと違って、特別何かやらなくてはならないことがないため、ロビーの掃除や、各機関へのパシりを行っていることが多い。たまに、ロビンさんと花の名前を使った暗号のようなものを用いて会話していることがある会話していることがある。今はまだ僕にはさっぱりだ。


 リュカは恋する青年騎士。誰に恋しているかは彼のためにまだ秘密にしておくよ。カミーユとは幼馴染で、同じタイミングで天界に来た仲間でもある。彼女の料理の味に関しては最大の被害者でもあるようだ。最初は「植物園」にいたリュカだけど、あるひと悶着があって「図書館」に異動してきたんだ。ボクはまだ直接会ったことがないけど、リュカにはもう一つ別の人格があると聞いている。


 リュカの相棒は、ケツァルコアトルのギフト。ギフトのように「神」としての一面を持つ「相棒」には、神としての力を使わないための「一瞥の枷」という制限がかけられている。彼の場合は片目を隠しているんだ。

 ギフトは武器形態を取ることはないし、どこか一匹狼っぽい雰囲気もあるけど、リュカとの信頼関係はしっかり築けている。リュカの恋愛も応援していて、二人がくっつくのをひそかに楽しみにしているみたいだ。


 リュカの幼馴染でもあるカミーユは、元貴族の令嬢で薬師だったために魔女裁判にかけられ、火刑にされた過去を持っている。ちょっと無口でポーカーフェイスな性格だけど、チャットでは案外顔文字を使うタイプ。料理は…少し苦手なようで、異世界から持ち帰った薬草をしばしば料理に使っている。その結果、リュカが味見役になっていることが多いけれど、たまには当たりの美味しい薬草もあるらしい。


 カミーユの相棒はソレイユ。本来の姿はカーバンクルで、ムードメーカー的な存在だ。誰にでも分け隔てなく接し、ギフトにも普通に話しかける珍しい「相棒」の一人。ギフトのことを「先輩」と呼び、すっかり懐いているんだ。ソレイユは僕のご先祖様に疑いをかけられている人物と大の仲良しだったみたいで、一緒にいたずらをしては遊んでいたらしい。今はその相手がいないから少し寂しそうだ。


 それから、僕の少し前に配属されたソフィア。彼女の出自はまったく不明で、調べてもどの記録にも載っていない。山にある集落で、白い毛の狼と暮らしていたと聞いているけど、楽観的な性格もあってあまり過去を気にしていない。ただ、恋人に関する記憶だけがどうも抜けてしまっているらしく、思い出せるきっかけを期待して恋愛小説を読み漁っているようだ。でも今のところ、兆しはまだないらしい。


 最後にソフィアの相棒、ローク。本来の姿は大口真神で、ソフィアが白い毛の狼と暮らしていたのもあって、どこか縁を感じているね。彼の「一瞥の枷」は目に見えるものではないみたいだけど、時々口を動かしても声が出ないことがあるから、おそらく話せない内容に制限があるのかもしれない。ソフィアに少し寂しげな視線を向けていることもあって、ミステリアスな雰囲気がある一方で、普段は気さくで明るくて接しやすいタイプだよ。

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