募集要項

1,神援者について

 神援者しえんしゃになりたての人にも分かりやすいように、まずは神援者について簡単に説明しておこうと思う。もちろん、既に知っている人はこのページを飛ばしてもらって構わないよ。だけど、こんなふうに説明してる僕自身も、実は神援者になったばかりではある。


 神援者とは、死後に神に選ばれて、この天界で働くことになった人たちのことを指している。でも、天界の神々って、僕たちが地上で想像していたものとはちょっと違う。彼らは「概念の管理人」のような存在で、各神がこの世に存在するすべてのものを司っているんだ。神っていうのはそういう存在。神援者の仕事は、そんな神々を手伝うこと。


 仕事内容は、配属される部署によってさまざまだから詳しくは書けないけど、簡単に言うと『人間ならではの視点』が求められることが多い。神様によって方針も違っていて、神援者が生前の研究をそのまま続ける部署もあれば、神様の助手を務める部署もある。それから、完全に自由に任せるタイプの神様もいる。ちなみに、僕たちの部署もそのタイプ。「死」を司る神様が忙しくないわけがないだろう?


 それから、神援者には『相棒』っていうサポート役がついてくれる。彼らは現実には存在しない生き物、たとえばグリフォンや鵺みたいなものが本来の姿。でも、普段は人間や他の動物に似た姿でいることが多いかな。本来の姿だと大きすぎたり小さすぎたりして不便だかららしい。


 天界には『全知全脳ぜんちぜんのう』という、あらゆる知識が詰まったデータベースがあって、相棒たちはそこにアクセスできる権限を持っている。彼らはそこで得た知識で、僕たちをサポートしてくれる。また、僕たち異世界転生観測係みたいな部署では、相棒が武器の形になって、一緒に戦ってくれることもある。頼もしい存在だよね。


 もし困ったことがあれば、近くにある『全知全脳』との交信機で聞いてみたり、相棒に尋ねてみて欲しい。それでだいたいのことは解決できるから。


 ちなみに、神援者の見た目についてなんだけど、仕組みはわからないけど、自分が一番気に入っている時代の姿でいられる。だから、見た目は若いのに、話し方や振る舞いが年配の人っぽいなんてこともよくある。余談だけど、神援者は食事も睡眠も必要ないし、常に体が清潔に保たれている。でも、食べたり眠ったりすることができないわけじゃないから、安心してほしい。

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「せかい」は誰が救うのか 鹿山紅葉 @sika_to_momiji

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