燈馬は紫耀が今も茉白だけを愛している事を知った。少し紫耀が羨ましくなった。僕も茉白だけなのに。茉白は僕の思いに気付かない。

哉芽を見つめる茉白の目は昔、紫耀に恋をしていた頃と同じだ。このままでは茉白はまた僕の思いに気付かないまま離れてしまう。

「辛すぎるよ。茉白。僕は君しかいないのに」

スマートフォンがなってる。哉芽からだ。燈馬は中々出られずにいた。

「はい。そうですか。茉白に伝えます。」

燈馬は茉白の部屋へ向かった。哉芽の訪問を伝える為に。哉芽が来る前に自分の気持ちを伝える為に。燈馬の最初で最後の告白だ。

雨が降らない事を祈りながら。僕の眠り姫。

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