Episode12
第40話
優芽は哉芽の手を握った。
「お母様についていた精神科の医師はお母様に夢中だった。麻薬に犯されているみたいに。お母様の言うことはなんでも聞いた。結婚していてもお父様はお母様に触れなかった。お父様に似ている兄さんを溺愛したお母様は兄さんが家元を継ぐのを嫌がった。でもお父様は愛してくれない。」
哉芽は優芽の言葉を遮った。
「優芽。もういいよ。何も言わないで。」
優芽は泣き笑いしながら哉芽に告げる。
「私はお父様の子供じゃないの。お母様と精神科の医師の間の子供よ。」
哉芽は優芽を抱きしめた。
「優芽。僕の可愛い優芽。辛かったね。どうして僕に教えてくれなかったの?一人で抱えてきたの?何も知らなくてごめんね。」
優芽は哉芽の腕の中で泣いていた。やっと本当の自分になれた。胸の中で何かが割れる音がした。やっと自分を好きになれそうだ。
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