第24話
哉芽は窓の外を見ていた。雨は上がっている。
茉白は大丈夫だっただろうか。燈馬に貰った冊子に書いてあった。
(身体的に極度に疲弊したり、精神的ストレスが極限に達すると、クラッシュが起きる。身体が動かなくなり寝たきりのような状態が長く続く。痛みも強くなり、副作用のある強い薬や精神安定の作用がある薬を使う事になり、薬への依存や幻覚症状を引き起こす危険がある)
燈馬が恐れているのは、茉白がクラッシュを起こすこと。哉芽がその引き金になってしまったのではないか。
「兄さん、大丈夫?紅茶を飲んで身体を温めて。ジンジャーシロップを入れておいたから。」
優芽の優しい声に振り向いた哉芽は切なそうに微笑んだ。可愛い妹。もし優芽が茉白と同じ病気になったら、耐えられるだろうか。
「優芽ありがとう。大丈夫だよ。心配かけたね。優芽にあんな姿見せたくなかったな。」
優芽は嬉しそうに笑った。
「私は兄さんの初めてを見れて得した気分。もっと見せて。私は嬉しい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます