第87話

「でもあれね、あんまり無茶はしないでね。

怪我とかしたら心配するから」


「う、うん…。

落ち着いて行動します」


2人して笑い出し、暫くすると泉くんは右手を出す。


「?」


「これからよろしくね。亜夢ちゃん」


「うんっ」


観覧車から降りて、菜穂ちん達と合流する。


「亜夢~」


「菜穂ちん!」


菜穂ちんに抱きつく。


「菜穂ちん、今日誘ってくれてありがとう!!」


「えっ?てことは…」


菜穂ちんの肩を掴み、笑う。


「うん…っ」


察した菜穂ちんは、「良かったね~」って言って喜んでくれた。


「そういえば、観覧車に乗った時どうして窓の方ばかり最初見てたの?」


「あー…亜夢ちゃん、あれだよ。ちょっと」


泉くんの方に手招きされて、2人から少し離れる。


「俺さ、アイドルになりたいって思った瞬間がここのヒーローショー見てからなんだ。

今はヒーローとはかけ離れた仕事してるんだけど、

芸能の仕事に興味を持ったきっかけの場所だからなんかつい…」


「そっか!乗り始めた時やってたね」


「…大切な話をするって時にごめん」

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