第65話

夜。自分たちのホテルに戻りゆっくり休む。


「なんか、今日は疲れたなー」


亜夢はホテルのお土産屋さん見てくるって言って出かけてるし、暇だ。



~♪~

着信が鳴り、玲央からで電話に出る。


「もしもし?」


『菜穂、今出られる?』


「うん…」


玲央に呼び出され、ホテルの前の海に行く。


砂浜には、カップルがいい雰囲気で少し羨ましい。


「菜穂」


呼び出された場所には既に玲央が立っていた。


「こんな所にアイドル様がいていいの?」


「久しぶりにそんな刺々しいこと言われた気がする」


「そうかもね」


しばらくの沈黙。打ち破ったのは、


「今日、本当にごめん。百崎のこと。

脅されてたことも聞いた」


「あー…うん。大丈夫だよ」


「大丈夫じゃないだろ?場合によっては命が…」


「もういいから。だから、そんなに自分のこと責めないでよ」


海の方に、目線を逸らす。


「そんなに謝れてたら。私、玲央との交際を諦めようと思う」


「え?」


「素直に付き合いたいって思った。

好きだと思う…。

でも、隼人さんの言いたいこともわかるし、今回のようなことがまた起きるかもしれない。


だけど…。

だけどそれでも、玲央と一緒にいたいって思った」


玲央はその場に座り込んで顔を手で隠す。


「ちょっ、何やってんの?」


「やべー…

好きな奴に好きって言って貰えるのって、

こんなに嬉しいんだな」

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