第17話
「ちょっと、こんな所誰かに見られたらヤバいって…」
「大丈夫だよ。変装してるし、あんまり気づかれないもんだから」
「…坊ちゃんアイドルのくせに…何でそんな優しい言葉ばかり言うのよ…」
ー知ってた。高校3年生になってすぐにサロンでバイトし始めた竜ちゃんの変化に。
ー知ってた。竜ちゃんが好きな人は同じ夢を目指している人だってこと。
ー知ってた。私はあくまで脇役でヒロインにはなれないこと。
「全部知ってたけど、でも幼馴染でいつも一番近くにいられるのは私だけ。
それで良いって言い聞かせてた…!本当は私そんなに強くない…」
「良いじゃんそれで。
叶う叶わないとかじゃなくて、ただ好きでいるだけで。
だって明日になったらもしかしたら花咲の事好きになっているかもしれないし。
先の事は誰にもわからないだろ」
「…何かのセリフ?らしくない…」
「っとに可愛くねぇやつだな!」
「あははっ、ありがと」
いつの間にか泣き止んでた。
「泣いたり笑ったり忙しい奴」
「…うるさい」
持っていたハンカチで涙を拭う。
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