出会いはチョコレートのように甘くて苦い

第1話

「おはよう…」


朝起きてリビングに行くと、父も母もバタバタとしていた。


「あ、菜穂。お母さんもお父さんももう出るから、戸締りよろしくね!」


「うん、わかった」


いつもの事だけども何とも慌ただしい。


「いってらっしゃい」



家が裕福だったらなーとか考えた事がある。

だけど仕事好きな父と母の事だ裕福だとしても、


「こんな感じなんだろうなー」


のんびり朝食を食べているとチャイムが鳴り、玄関に行く。



「竜ちゃん!」


「随分とのんびり朝食とってんだな。菜穂」


「まだ髪型終わってないんだけどねー」


あははと笑う私に呆れながらも、食べている私にアイロンで髪型をやってくれる竜ちゃん。

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