第64話

「...やっと話したのね」


翔が帰り2人きりになった室内で三苫が小さく呟いた。


「お前、ずっと話したほうがいいって言ってたもんな」


仲間を信頼してるからこそ話すべきだと


だけど俺はずっと言わなかった


「慎ちゃんはもう少し甘えることを覚えないと」


「...俺に甘えが似合うか?」


三苫の前で散々弱いとこを見せてきた


だからコイツにとってはなんてことないだろうけど、


族のトップにいたこと、チームをまとめてたこと、色んな責任を持ってた俺にはそんなことは難しい


それに。


結局何も出来ず、全員揃わないまま俺たちはトップから退いた。

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