第55話

それから何も話さず…話せないまま、店に向かった




からんっ



「いらっしゃい」


扉を開けると、いつものように三苫が迎え入れてくれた


事前に仲間を連れていくと連絡をしたから翔をみても驚かない


「紹介する、翔だ」


お互い知ってるはずだが、一応紹介しておく


「元蒼龍 情報担当の宮田翔です」


翔は自己紹介をすると三苫を静かに見据えた


…探る目で



三苫も本職の情報の仕事の時の顔になる


「私は三苫慧太。…あなた、何度も私のパソコンに入ってきたわよね?なかなかやるじゃない」


「セキュリティの壁が分厚くて全然入れなかったっすけどね」


「でも入って来る度どんどん解くから、私も久しぶりに燃えちゃったわ。さすが天下の蒼龍ね」


店に入ってすぐふたりの会話が飛び交う



…知らない間にそんな戦いをしていたのか

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