第33話
扉に視線を向けると扉から人がゾロゾロと入ってきた。
「――――ご無沙汰してます。谷口さん、市石さん」
新藤を先頭に他の奴等も頭を下げる。
「お前ら…」
扉の前にいたのは、今の蒼龍の幹部だった。
「コイツ等、陽が退院するって聞いて駆けつけたんだよ」
「はい。市石さんが退院されると聞いて居てもたってもいられないので、」
元気になってよかったです。
新藤は陽にそう言った。
「……久しぶりだな、新藤」
陽は懐かしむような表情で新藤を見た。
「っ、俺のこと覚えてるんですか?」
新藤は目を見開く。
「当たり前だ」
その言葉に俺はあることを思い出した。
「……なあ、お前が昔言ってた奴か?」
「…ああ」
陽は満足そうに答えた。
そっか…あれは新藤のことだったのか
「え…?なんすか?」
「いやなんでもねえよ」
「昔話は後だ。とっととやっちまおうぜ」
首をかしげる新藤にそう放つと雪が空気を変えるよう手を叩き言葉を被せてきた。
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