第17話

放課後、私は近くの喫茶店に入った。



「いらっしゃいませー。お好きな席にどうぞー」



店員の間延びた声を聞きながら隅の席に行き、ホットのブラックコーヒーを頼み谷口を待った。






「―――わりい。待たせた」



19時を過ぎた頃、谷口が店に入って来た。



「思ったより人多いなあ。場所変えるか?」



谷口は店内を見渡し提案してきた。



『いや、いい』



「…そ。まあお前がいいんならいいんだけど。つか、お前授業受けに来いよ。このまま来ねえと留年だぞ」



ネクタイを緩めながらそう言って私の向かいに腰を下ろした。



すると店員が水を持って来て、谷口は私と同じものを注文した。

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