第72話

…―――陽が、暴走族に入っているのは知っていた


…副総長をしているのも。



でも、


まさか蒼龍だったのは驚いた。



だって、付き合ってしばらくしてからそう聞かされ、何処の族なのか聞いても教えてくれなかったし、倉庫にも連れて行ってくれなかった。


なんでなのか聞いてみると、



「藍を他の奴らに見せたくねえ。アイツ等が惚れちまったら困る」


そう言った陽は凄く嫌そうだった。


「あとお前を怖がらせたくない」


後ろから抱きしめてきて耳元でそう呟いた彼に私は愛しさを感じた。



…凄く、大切にされてるんだ



…――その頃の私は、ごく普通の女の子で何も気にしていなかったし、陽の傍にいるだけですごく幸せだった

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