第49話

――ドカッ




「う゛ぅっ…」




――バコッ




「う゛っ!!…」




――バキッ




「ぐわぁ!!…ゲホゲホッ」





 数分で男たちは倒れた。…いや、気絶してる。




 おいおい。弱すぎだろ。さっきの威勢はどこに行ったんだ?




 目の前で気絶してる男たちを見ながらそう思う。




 …なーんか、全然物足りねぇ。




 あっちから吹っ掛けてきたから、少しは強いと思っていたが…




 期待外れだ。




『お前ら…“紅狼に喧嘩売ったら終わり”って聞いたことなかったか?』




 気絶して聞こえていないだろう男たちにそう言って一瞥し、私は路地裏を出た。






――――ネオンで光る街はとても綺麗。




 周りを見渡せばカップルやギャルたちで賑わっている。




 その中に一人だけ、全身真っ赤に染まって歩いている私。




 私とすれ違う人たちはみな、怯えた目で私を見る。






――――私は周りの視線を無視し、家に帰った。









 





 

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