第41話

ひとつ、気になっていた事がある


あの女――杵崎藍を見た時ふとアイツを思い出した



―――紅狼



3月上旬の夜の街の路地裏で


俺が今までずっと探していた紅狼


あの時は、驚いた



夜の街を一人で歩いているとき路地裏で喧嘩してるのを見つけ、近づいて見たら……



まさかの紅狼だった


喧嘩をしているアイツは通り名のとおり、狼だった


全身返り血で真っ赤に染まり、それはまるで“獲物に飢えた狼”


やっと会えた紅狼の喧嘩を見てアイツは相手の息の根を止めるまで殴る、そう感じた


俺は喧嘩を止めアイツの目を見た


だけど目が…死んでいた、



光が全くなかった

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