第79話
「―――そういえば、総長はクラス何処なんですか?」
また宴を楽しんでるとふと、メンバーひとりが私に尋ねてきた。
「…っ!ばっばか、!そんなの“7組”に決まってるだろ!」
「!!そ、そうっすよね!総長すいません!!」
『……いや、6組だよ』
彼等を見ずに答えた。
「「「えーーーっ!!??」」」
竜を除く全員が声を上げた。
あまりの五月蝿さに耳を塞ぐ。
「おまえほんとかよ!」
「あの学校に葉月の上がいるのか、?」
驚く壮輔に私は深くため息をついた。
『そんなのいくらでもいる。確かに連絡あったよ、特進の』
合格発表のあと、書類と共に連絡がきた。
星ヶ丘学園は私立なだけに学費がかかる。しかもえげつない金額。
だけどスポーツ、勉強の成績優秀者は特例で学費が免除になる。いわゆる特待生ってやつ。
親に迷惑掛けないよう得意じゃないけど嫌いでもない勉強を頑張った。
おかげで受験の結果は上位だった。
特待生は基本的に特進クラスの7組になるけど、私はそれを誰にも相談せずに断った。
「じゃあなんでだよ?」
『だって特進に行くと勉強ばっかじゃん。別に勉強嫌いじゃないけど、あんなにやりたいとは思わない』
何かに縛られるのが嫌いな私にとって勉強漬けの日々は御免だよ。
「…そっか」
壮輔の言葉に頷く、どうやら私の言いたいことが分かったらしい。
『うん。それに学校は私独りだけだし。倉庫(ここ)の方が皆に会えるからね』
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