第68話

お皿をテーブルに置くと私の座るソファの背もたれに手をつき顔を覗き込んできた。


『……ちゃんとした理由が欲しい。 じゃなきゃ納得出来ないじゃん』


何も言わずにただやるなと言われるのはやだ。


ちゃんと理由を言って欲しい。


「……そういうことか」


竜は私から離れ、自分の席に着く。


それから竜はなにも言わない。


なんだ、結局教えてくれないのか。


「…おまえ自分の格好見ろ」


また大我がやってきた。


『スカートがいけないんでしょ?着替えるよ。それで問題ないよね』


「「ある」」


珍しくふたりがハモった。


『じゃあどこが問題なの? 』


立ち上がり腰に手を当て仁王立ちで立ってみせた。


「……」


「それだ」


竜と大我は同時に指さした。

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