第51話

鬼の形相の大我を涙を拭きながらみているとピンときた。


鬼退治!!



迫ってくる大我を無視して立ち上がりまわりを見渡した。



「は、はづき…?」


圭が私の名を呼ぶけど今はそれどころじゃない。


大我の横を通り過ぎテーブルの上にあるご馳走を全て見てまわる。



えーっと、豆豆豆豆豆……


んーない。


枝豆はあるんだけど痛くないから無し。


でも他にないな…



『ん゛ーー』


「……そ、総長どうしました?」


料理の前で悩んでる私にメンバーが近寄って来た。


『やっぱりない』


「?何か食べたいものでもあるんですか?今すぐ注文しますよ」


そう言ってポケットから携帯を取り出してきた。


『豆がない』


「……え?ま、豆?」


『そう。鬼退治の為に豆撒きしようと思うんだけど肝心の豆が無いじゃん?だから別の豆にしようと探してるんだけど……枝豆しかないんだよね。でも枝豆って痛くないじゃん。もっと硬いのが欲しいのに、』


当たると痛いやつがいいの。

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