第15話

……だけどそこには男が座っていた。


視線を向けるが男は背を向け友達と話しており気づいていない。


…面倒だけど話しかけるか、。


黒板から離れ自分の席に向かって歩いた。


私の席は廊下側から3列目の後ろから2番目。割といい席。


ゆっくり歩み寄り席の前に着いたけど男はまだ気付かない。


『……すいません、ちょっといいですか?』


背後から男に声をかけた。


「……あ?」


話を邪魔されて腹立ったのか不機嫌な声を出してガンをとばしてきた。


その姿にイラッときた。


他人の席に座っておいて何ガンとばしてんの?ここ私の席なんだけど。


久しぶりのイラつきを顔に出さぬよう堪えて口を開いた。


『ここ私の席だから退いてくれる?』


なるべく優しく言った。


すると男は私を見て数秒固まったあと顔を真っ赤にして、


「…あっすすすいませんでした!!」


そう言って退いたかと思う教室を出てどこかへ行ってしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る