第8話

意外とすぐに戻ってきたお母さんの手には大きな紙袋が。


よかったなんかあるみたい。


お母さんは紙袋を私の隣に置いた。


「――昨日“りゅう”くんが持って来てくれたわよ」


『えっ竜が?』


葉月はづきが忘れてると思ってわざわざ届けにきてくれたのよ」


紙袋を覗くと中には3つのウィッグが入ってた。


「しかも上質なウィッグ。絶対高いやつよ。わざわざ買ってきくれたものみたいだから葉月が用意してたら返すつもりでいたの。よかったわね、後でお礼言いなさいよ」


手に取ってみてみると、暗い茶髪のロングストレート、黒髪ストレート、明るい茶髪のミディアムのウィッグが。


確かに本物みたいなウィッグだ。


手紙も入ってた。


“忘れてると思うから適当に買っといた"


……竜、アンタ最高だよ。

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